頭と腹、良く対峙される比喩です。各ステークホルダーが頭では変革の重要性を理解していても、腹落ちしていなければ結局成功しません。
「アイデアが形にならない」は、変革推進時の三大悩みの1つ
資本と呼ばれるほどアイデアが重視される時代です。しかし、どんなに優れたアイデアも形にならなければ存在しないのと同じと言えます。
変革推進時のよく聞く悩みの1つが「アイデアが形にならない」です。
「形にならない」は、社内のステークホルダーの意見がまとまらずホントに形にならない場合と、尖ったアイデアが企画会議を重ねるうちに最後は小改善案へと変わり変革の形にならない場合とがあります。
腹落ち(センス・メイキング)を、3つのプロセスに分解
「気骨が折れる」「顔をつなぐ」など体を使った表現が多数あるのが日本語の特徴の1つです。
その中で「腹落ち」は納得を表す表現です。言い得て妙だと思います。
日本人はここで終わりましたが、西洋では、組織が納得することを分析し要素に分解しました。要素分解は西洋の基本的な思考パターンで、あらゆるところに応用されています。
組織の腹落ち(Sence Making)は以下の3つのプロセスから構成されます。
- 創造: 活きた経験、つまり中断された状況に気づき、そこから手がかりを引き出すことから始まる
- 他者との会話や説明を通じて解釈により状況の更に完全な感覚へと発展させる
- より完全な状況認識を用いて行動
過去の実体験に当てはめて考えてみると、3つのプロセスは腹落ちするかもしれません。
【腹落ち(センス・メイキング)の3つのプロセス】
組織は、創造⇒解釈⇒行動の3つのプロセスを経て腹落ちします
腹落ちが無ければ、パフォーマンスは発揮できない
変革の為に新しい制度や業務プロセスを整備しても、結局は人間のすることです。ステークホルダーが納得して腹落ちしていなければパフォーマンスは発揮できません。
ビズフォリオの変革プログラムでも、ステークホルダーの腹落ちを非常に重視しています。
関係者が腹落ちが得られず、日の目を見ずにゴミ箱行きになった有望なアイデアがあるかもしれませんよ。
変革を進めていく上で、業務プロセスの変更やツールを導入したのに当初想定のパフォーマンスが出ない、いわゆる「仏作って魂入れず」の状態でお悩みなら、是非ビズフォリオまでご相談ください。
参考資料:
Ala-Laurinaho, A., Kurki, A. L., & Abildgaard, J. S. (2017). Supporting Sensemaking to Promote a Systemic View of Organizational Change – Contributions from Activity Theory. Journal of Change Management, 17(4), 367–387.
※記事は執筆者の個人的見解であり、必ずしもビズフォリオの公式見解を示すものではありません。
三木章義
PMP/FP/産業カウンセラー ビズフォリオ合同会社 代表社員
日系Sierでシステムコンサルティングに従事。企業における業務改革やBPR(業務のリエンジニアリング)、ビジネスモデルのトランスフォーメーション、プログラム/プロジェクトマネジメント等を支援。
2016年にビズフォリオ有限責任事業組合を設立。2021年より合同会社に形態を変更。「マネジメント・サイエンスを活用して価値創造の変革に貢献」を経営理念に、セミナーやコンサルティングサービスを提供している。
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