日本人に向いているアイデア発想法は?

チェンジ・マネジメントで変革を実現

高い創造性のアイデアが欲しいなら、発想法=ブレストというステレオタイプな考えをまず捨てるべきです。

多様性への期待は、創造性の高いアイデア

ダイバーシティ(多様性)の観点からか、日本企業で働く外国人が随分と増えました。

 

見ていると面白いのは、そういう方が、意外と早く日本人の考え方に染まっていきます。やっぱり文化・風土の影響は大きいのでしょうか。

 

多様性から生まれる最も期待するものがアイデアです。既存に捕らわれず、均質な集団からは決して生まれない創造性が最も求められています。

 

ブレストでは自由に発想出来ない日本人

変革の実現にはダイナミック・ケイパビリティが必要です。それはSencingとSeizing、Reconfiguringの3つから構成されます。

 

経営者がよく「社内から良いアイデアが出てこない」と嘆くのが、Sencingが弱い企業です。アイデア発想と言えばブレストが定番です。しかし、大抵は平凡で当たり障りのない意見か、一通り社内の欠点を言い合って終わります。

 

これは「自由に意見を言い合う」というのが非常に苦手な日本人の特性だと考えられます。自由に発信したいというニーズから生まれたSNSも、日本では食べ物や動物の写真だらけです。

 

ブレストが機能しない問題解決を探し、たどり着いたのがSIT(システム・インベンティブ・シンキング)でした。これは5つのイノベーションの法則に沿って発想する方法です。

 

「法則に従って考えたらこうなりました」と自分の意志とは関係なくさも「おのずから」出来上がった、という形が日本人に向くという、逆転の発想です。

 

SITに限らずただ盲目的にブレストをやるのではなく色々と工夫した方法が出てくれば、もっと独創的なアイデアがきっと出てくるはずです。

 

【イノベーションの5つの法則】

  • 引き算の法則
  • 掛算の法則
  • 分割の法則
  • 一石二鳥の法則
  • 依存関係変更の法則

現代のビジネスは、アイデアが資本

最も重要な資本はアイデアとなりつつあります。経営者は、日本人の性質を理解しつつ、社員から良いアイデアを引き出す必要があります。

 

是非アイデアを重視して、変革を成功させてください。

 

ブレストをしても「良いアイデアが出てこない」とお悩み、あるいは、SITを知りたい、試してみたいと思ったなら、是非ビズフォリオまでご相談ください。

 

参考資料:
Goldenberg, J., Horowitz, R., Levav, A., & Mazursky, D. (2003). Finding your innovation sweet spot. Harvard business review, 81(3), 120-129.
竹内整一. (2012). やまと言葉で哲学する:「おのずから」 と 「みずから」 のあわいで

大川内直子. (2021). アイデア資本主義: 文化人類学者が読み解く資本主義のフロンティア

 

 

※記事は執筆者の個人的見解であり、必ずしもビズフォリオの公式見解を示すものではありません。

 

 

三木章義
PMP/FP/産業カウンセラー ビズフォリオ合同会社 代表社員

 

日系Sierでシステムコンサルティングに従事。企業における業務改革やBPR(業務のリエンジニアリング)、ビジネスモデルのトランスフォーメーション、プログラム/プロジェクトマネジメント等を支援。

 

2016年にビズフォリオ有限責任事業組合を設立。2021年より合同会社に形態を変更。「マネジメント・サイエンスを活用して価値創造の変革に貢献」を経営理念に、セミナーやコンサルティングサービスを提供している。