経済学にミクロとマクロがあるように、何かを把握するのにはその2つの視点が重要です
マイクロ・ファウンデーションは、ミクロの視点
「うちの会社は全然変わらない」と嘆くサラリーマンと同様に、「会社が変わらない」と悩む経営者も少なからず居ます。
その悩みに応えるにはまず変化の仕組みの理解が必須です。経済学にミクロとマクロがあるように、何かを把握するのにはその2つの視点が重要で、どちらかだけで事足りる、という事はありません。
トランスフォーメーション(変革)についてケイパビリティに着目しマクロで捉えたのがダイナミック・ケイパビリティです。ではミクロは?それを解き明かす有効な考え方が、マイクロ・ファウンデーションです。
ダイナミック・ケイパビリティの源は?
「要素に分解」は西洋の基本的な手法です。ダイナミック・ケイパビリティの要素は何か?というと実はまだ定説はありません。ここではケイパビリティのマイクロ・ファウンデーションを3つの要素に分解する考え方を紹介します。
- ルーチンとケイパビリティに対する個人の理解と行動
- ルーチンとケイパビリティを開発するプロセス
- 行動、選択、代理が発生する制約する組織構造
これらはそれぞれ独立した存在ではなく、関係し合っています。
ビジネスモデルの変革をミクロで見ると、個人とプロセス、構造の相互作用における変化が認められる
小さいながら重要な点を見つけ、そこを変える
日本の産業は変わらなければいけないとバブル崩壊から約30年も言われ続けています。競争力は34位、一人当たりのGDPは27位と、ずるずると落ちていってもDisruptive(破壊的)では無かったため、まだ何とかなる、という感覚が蔓延しています。
実際持ちこたえてきたのは事実とは言え、この先は誰にも分かりません。DXを掲げるならぜひ成功させましょう。マイクロ・ファウンデーションの個人、プロセス、構造の要素に着目し、小さいながら重要な点を見つけて変えればレバレッジ効果で必ず全体が変わるはずです。
組織の変革に悩んでいるなら、是非ビズフォリオまでご相談ください。
参考資料: Felin,T., Foss, N. J., Heimeriks, K. H., & Madsen, T. L., (2012), Microfoundations of Routines and Capabilities: Individuals, Processes, and Structure, Journal of Management Studies, 49(8) Special Issue: Micro-Origins of Organizational Routines and Capabilities December 2012, pp. 1351-1374
※記事は執筆者の個人的見解であり、必ずしもビズフォリオの公式見解を示すものではありません。
三木章義
PMP/FP/産業カウンセラー ビズフォリオ合同会社 代表社員
日系Sierでシステムコンサルティングに従事。企業における業務改革やBPR(業務のリエンジニアリング)、ビジネスモデルのトランスフォーメーション、プログラム/プロジェクトマネジメント等を支援。
2016年にビズフォリオ有限責任事業組合を設立。2021年より合同会社に形態を変更。「マネジメント・サイエンスを活用して価値創造の変革に貢献」を経営理念に、セミナーやコンサルティングサービスを提供している。
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