知識創造経営は、身近なプロジェクトの振り返りから

知識創造経営は、身近なプロジェクトの振り返りから

属人化を避け、個人が持つナレッジをより経営に活かすには?

知識創造経営は、数少ない日本発の経営理論

日本発の経営理論が少ない中で、よく目にするのが野中先生のナレッジマネジメントのモデルです。『知識創造企業』の中で、SECIプロセスとして提唱されました。

 

暗黙知から形式知への変換には、Socialization、Externalization、Combination、Internalizationの4つのプロセスが有り、その頭文字をとってSECIと呼ばれています。

 

理論的なモデルを理解し自社に適用するには、まずは身近なところから、プロジェクトの振返りを実施することです。

 

SECIモデルによる知の循環
SECIモデルによる知の循環

【SECIモデルによる知の循環】

 

暗黙知と形式知の循環を表すSECIモデル

形骸化した、プロジェクト終了レビューを見直す

プロジェクト終了レビューは、多くの会社がやっているはずです。しかしナレッジを洗い出す、という面からは形骸化し実効性を失っているように思えます。Lessons Learnedは教訓という厳めしい訳のせいか、気軽にナレッジを洗い出す、という雰囲気は全く失われてしまいました。

 

プロジェクト・マネジャーには、公式レビュー以外にも、メンバーへインタビューしてプロジェクトで得たナレッジを意識的に収集させるべきです。

 

  • 計画時に想定しなかった事が起こり、どんなイレギュラー対応をしたか?
  • (イレギュラー対応が無かった場合)プロジェクトがうまくいくよう、心がけている事はあるか?
  • もっとこうすれば良かったと思う、何か良い方法があったか?

「ナレッジは何も無かった」と言うメンバーには、「なぜナレッジが得られなかったのか?」と更に訊くべきです。

 

プロジェクトマネジメントにおける学習フレームワーク
プロジェクトマネジメントにおける学習フレームワーク

【プロジェクトマネジメントにおける学習フレームワーク】

 

プロジェクトで得たナレッジを活用する仕組み

理論と実践の結びつきには、中間管理職の育成が重要

理論と実践の結びつきには、中間管理職が重要な位置を占めます。

 

知識創造経営導入の掛け声だけでなく、効果を出す責任が経営者には当然あります。その為には、中間管理職の育成が欠かせません。

 

そうすれば、「笛吹けど踊らず」と悩むことも少なくなるはずです。

 

属人化を解消し、人材の流動化による適材適所の実現を望むなら、是非ビズフォリオまでご連絡ください。

 

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※記事は執筆者の個人的見解であり、必ずしもビズフォリオの公式見解を示すものではありません。

 

 

三木章義
PMP/FP/産業カウンセラー ビズフォリオ合同会社 代表社員

 

日系Sierでシステムコンサルティングに従事。企業における業務改革やBPR(業務のリエンジニアリング)、ビジネスモデルのトランスフォーメーション、プログラム/プロジェクトマネジメント等を支援。

 

2016年にビズフォリオ有限責任事業組合を設立。2021年より合同会社に形態を変更。「マネジメント・サイエンスを活用して価値創造の変革に貢献」を経営理念に、セミナーやコンサルティングサービスを提供している。