プログラムマネジメント: ダイナミック・ケイパビリティのサブセット

プログラムマネジメント: ダイナミック・ケイパビリティのサブセット

変革(トランスフォーメーション)に関する理論と実践、両方の研究が世界的に進んでいます

プログラムマネジメントは、変革の理論と実践の橋渡し

現在の企業には変革が求められます。変革を成功させる能力が以前紹介したダイナミック・ケイパビリティです。

 

企業においては、この理論をどう実践して変革(トランスフォーメーション)を成功させるかが課題です。その理論と実践のある程度の橋渡しとなるのがプログラムマネジメントです。

 

プログラムマネジメントは、プロジェクトマネジメントの標準化団体が、事例研究から標準を作成して発表したものです。

 

標準の導入は、自社に合わせたテーラリングが不可欠

プログラムマネジメントは、ダイナミック・ケイパビリティが定める3つの能力のうち、最後のreconfiguringに主として対応します。

 

発表する団体により内容は若干異なります。例えば、米国PMIのThe Standard of Program Management)では5つの領域を定義しています。

 

プログラムマネジメント標準の5つの領域
プログラムマネジメント標準の5つの領域

【プログラムマネジメント標準の5つの領域】

  • Program Strategy Alignment
  • Program Benefits Management
  • Program Governance
  • Program Life Cycle Management
  • Program Stakeholder Engagement

 

 

 英国AxelosのMSP(Management Successful Programme)では、定義は3つです。それぞれが更に詳細化されています。

 

MSPの3つの要素
MSPの3つの要素

【MSPの3つの要素】

  • Transformational flow
  • Governance themes
  • Principles

 

 

変革のための標準の導入は、自社に合わせたテーラリングが不可欠です。各企業はその部分に注力すればよいのが特長です。

 

経営者の理論軽視の姿勢は、会社の方向性を誤らせる

理論はそのまま経営の現場には使えません。だからといって「理屈じゃ金は儲からん」と理論を極端に軽視するのは問題です。

 

これからの経営者は、そういう日本の企業風土を変えていく必要があります。成熟した社会ではもはや経験だけで回せることは希少です。

 

変革の成功事例がもっと出てくれば、自ずと理論も実践も大事という企業文化が生まれることでしょう。

 

ビズフォリオは、プログラムマネジメントによる変革の実現を長年研究しています。より詳しく知りたい方は、是非ビズフォリオまでご連絡ください。

 

 

※記事は執筆者の個人的見解であり、必ずしもビズフォリオの公式見解を示すものではありません。

 

 

三木章義
PMP/FP/産業カウンセラー ビズフォリオ合同会社 代表社員

 

日系Sierでシステムコンサルティングに従事。企業における業務改革やBPR(業務のリエンジニアリング)、ビジネスモデルのトランスフォーメーション、プログラム/プロジェクトマネジメント等を支援。

 

2016年にビズフォリオ有限責任事業組合を設立。2021年より合同会社に形態を変更。「マネジメント・サイエンスを活用して価値創造の変革に貢献」を経営理念に、セミナーやコンサルティングサービスを提供している。