外部コンサルは社員ではありません。当たり前の事実とその正しい活用法

外部コンサルは社員ではありません。当たり前の事実とその正しい活用法

外部コンサルへのニーズと不満、両方が高まっています

イノベーションが生まれる、流れと役割を理解

現在の自組織に閉じていては、変革の実現は不可能です。何らかの外部の力が必要です。そのためコンサル会社へのニーズが増加し続けています。

 

けれども、具体的な成功事例というのはあまり聞きません。「コンサル会社が儲かっただけ」という愚痴をネット等で見たりします。ニーズが増している割には、評判は悪いようです。

 

変革の実現に外部コンサルを正しく使うには、まずイノベーションが生まれる流れと役割の理解が必要です。

 

イノベーションは、社内外のエージェントの共同作業

コンサルティングに対応する日本語は有りません。恐らく日本人の発想には無かったのでしょう。

 

「コンサルは使えない」失敗事例の第1は社員代替です。社員は現業で多忙なため、全てコンサル会社に丸投げです。会社側のメンバーは、週次の定例で案の内容を聞いて感想を述べるだけです。

 

「答えを教えてくれ」2番目は経営指南です。余程やり方がマズい赤字会社の立て直しならともかく、イノベーションの起こし方には「これが正解」はありません。

 

イノベーションを起こすには、Hamelが描いた図が示すように、社内外のエージェントの共同作業がとても重要です。

 

 

イノベーション創出の理論と役割
イノベーション創出の理論と役割

【イノベーション創出の理論と役割】

外部エージェントは理論と実践を結びつける役割です。決して実行の社員代替でも答えを教えてくれる先生でも有りません。

 

イノベーションの内部エージェントとなる社員を育てる

今や学生の就職先でもコンサル会社は大人気です。「コンサル栄えて国滅ぶ」、そんな声も聞こえてきます。

 

企業が内部エージェントとなる社員を育てずに、ただただ外部に答えを求める現在の姿勢が続けば、ますます日本経済は衰退していっても不思議ではありません。

 

社内外の役割を理解してコンサルを使う、重要なキーとなる社員を育成する、経営者がこれを徹底できれば、おのずとイノベーションを生み出すことができるでしょう。

 

ビズフォリオでは、今回ご紹介したイノベーションを共創するコンサルティングを志向しています。より詳しく知りたい方は、是非ビズフォリオまでご連絡ください。

 

参考資料: Birkinshaw, J., Hamel, G., 2008, Management Innovation,  Academy of Management Review, 33(4),  pp.825–845

 

※記事は執筆者の個人的見解であり、必ずしもビズフォリオの公式見解を示すものではありません。

 

 

三木章義
PMP/FP/産業カウンセラー ビズフォリオ合同会社 代表社員

 

日系Sierでシステムコンサルティングに従事。企業における業務改革やBPR(業務のリエンジニアリング)、ビジネスモデルのトランスフォーメーション、プログラム/プロジェクトマネジメント等を支援。

 

2016年にビズフォリオ有限責任事業組合を設立。2021年より合同会社に形態を変更。「マネジメント・サイエンスを活用して価値創造の変革に貢献」を経営理念に、セミナーやコンサルティングサービスを提供している。