変革に成功する企業と失敗する企業。一体何が違うのでしょうか?
少しばかりの改善では、生き残れない
企業は、保有するリソース(資源:人、モノ、金、情報)を使いサービス・製品を提供する活動にて、適正な利潤を得ています。
この能力はオーディナリー・ケイパビリティと呼ばれ、競争優位性を保つために継続的な向上が求められます。
しかし、変化の激しい現代のビジネス環境下においては、単純な繰り返し、あるいは、少しばかりの改善では生き残れません。
変革を成功させる能力
生き残りと成長をかけて、これまでのビジネスのやり方を刷新する変革(トランスフォーメーション)を起こします。最たる例が既存のビジネスを自ら否定する破壊的イノベーションです。
トランスフォーメーションは、社内外のリソースをフル活用したプロジェクトを組んで実現させます。
これには通常とは異なる能力が求められ、Teeceはそれをダイナミック・ケイパビリティと名付けました。
ダイナミック・ケイパビリティは、
- sensing(変化の機会を感じとる)
- seizing(機会を掴む)
- reconfiguringまたはtransforming(リソースを変える)
の3つのプロセスから構成されます。
【ダイナミック・ケイパビリティの3つのプロセス】
経営者が、トランスフォーメーションを判断し実行
ダイナミック・ケイパビリティを高めてトランスフォーメーションを実現できるのは経営者のみであり、まさにそれこそが現代の経営者が為すべきことです。
トランスフォーメーションは経営者に重い責任がのしかかります。その判断で会社の命運が決まるからです。
トランスフォーメーションを考えるなら、まずは、自社のダイナミック・ケイパビリティを評価してみてください。もしもケイパビリティが低いなら、3つのプロセスのどこが弱くて強化が必要かを特定すべきです。
適正なダイナミック・ケイパビリティを確保できれば、きっとトランスフォーメーションは実現するでしょう
変革を成功させるために、今日ご紹介したダイナミック・ケイパビリティをより詳しく知りたい方は、是非ビズフォリオまでご相談ください。
参考資料:
Teece, D. J. (2014). The foundations of enterprise performance: Dynamic and ordinary capabilities in an (economic) theory of firms. Academy of management perspectives, 28(4), 328-352.
三木章義
PMP/FP/産業カウンセラー ビズフォリオ合同会社 代表社員
日系Sierでシステムコンサルティングに従事。企業における業務改革やBPR(業務のリエンジニアリング)、ビジネスモデルのトランスフォーメーション、プログラム/プロジェクトマネジメント等を支援。
2016年にビズフォリオ有限責任事業組合を設立。2021年より合同会社に形態を変更。「マネジメント・サイエンスを活用して価値創造の変革に貢献」を経営理念に、セミナーやコンサルティングサービスを提供している。
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